モラハラは法律で解決すべき問題なのか

モラハラは法律で解決すべき問題なのか

 

「モラルハラスメント」題目

1.「妻の暴言 被害が顕在化しにくい精神面への暴力」

2.「妻のモラハラへの対処法」

3.「モラハラは法律で解決すべき問題なのか」

 

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行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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はっきり言う、NOだ。

 

もちろん、「モラハラが原因による離婚は裁判上で認められるのか」とか、
そういった話をするのであれば、法律の問題になるだろう。

しかし、あくまでモラハラという問題を単体で捉えた上で対策をするにあたっては、
この問題を法律の問題と考えて検討するのは間違いだ。

 

 

例えば・・・そうだな。

 

いじめ問題なんかを思い浮かべてもらいたい。

 

あれも厳密に言えば、「暴行」、「傷害」、「恐喝」なんかの法律問題になるのだろう。

 

 

じゃあ、それで相手を訴える、若しくは法的な通告をして、問題が解決するのか?

 

 

しないよな。

 

 

そんな対応をしたって、相手との関係性が修復できるわけじゃない。

表面上の行為がなくなるだけで、形を変えていじめは続く。

 

 

法律ってのは、所詮、目の前にある問題を解決するためのツールなんだよ。

人間関係を修正する機能までは持ち合わせていない。

 

だから、「そもそもなぜ、そういったことが起こるのか」といった、
根本的な部分を押さえた上での抜本的な解決法には繋がらないんだ。

モラハラだって、同じことだよ。

 

実際、モラハラで相談に来る男性は、
「離婚したい」といった動機で相談に来る人だけじゃない。

辛くて堪らないけれど、それでも相手とうまくやっていく方法はないのか、と、
皆、思い悩んで相談に来ている人も多いんだ。

 

そういった求めに対して、相手を法的にどうするかなんて視点で話をしていては、
検討の方向性が明後日の方を向いているとしか言いようがないだろう。

 

ちなみに、こういった男性の希望に対して、
「Mじゃん」なんて冷やかしを言うような輩もいるけれど、まぁ、気にする必要はない。

 

 

愛情は理屈や体裁じゃない。

 

それを理解できないようでは、悲しすぎるだろう。

 

 

モラハラで重要なのは、相手の行為が問題かどうかを考えることじゃない。

そもそも、それを引き起こしている家庭環境に問題があるんだ。

 

そこを履き違えているうちは、本当の解決法なんか出てこない。

 

相手の行為を無理やり法律の問題にして、強引に離婚することくらいはできるかもしれない。

でも、それではお互いの立ち位置、関係性はそのままだ。

 

子がいる場合なんか、面会や養育費の交渉で、
離婚後も相手と話をしなければならない機会だってあるんだぞ。

 

そういう事態になった際、ちゃんと相手と対等な立場で話し合いができるのか。

 

僕は無理だと思うな。

結局、離婚する前と変わらない。

 

 

必要なのは関係性の変化

 

「変化」だぞ、「修復」じゃない。

 

冒頭でも言った通り、一度ついてしまった「格付け」は基本的に修正できない。

一度、見下した相手に再度歩み寄ったりするのが現実的じゃないことは、
それなりの社会経験があればわかるだろう。

 

 

では、どうすべきか。

 

 

新しい立ち位置を作るんだよ。

 

 

前に戻ろう、なんて思うから無理が出てくるんだ。

 

本当の解決法は、思考を切り替えた先にある。

 

 

・モラハラ問題のワンポイント

モラハラで悩んでいる人達がまず決めるべきことは、
離婚するのか、しないのかということだ。

意外と、これらの点についてはっきりと決め切れていない人が多い。

なぜ、はっきりすべきなのかというと、本文でも述べた通り、
その希望によって有効なアプローチの仕方が変わってくるからだ。

 

そして、それは性質上、途中で切り替えがつけにくい。

人の思考や心に触れる対応だからな。

 

人の内心は一度、方向性が定まってしまうと簡単には戻らない。

 

これはあなたのことだけを言っているんじゃない。

相手のことも含めて言っているんだ。

 

「モラハラ」という一人歩きをし始めた言葉に踊らされるな。

 

その言葉が指す状況を、本当に理解した上で言っている人間は少ない。

 

今の状況について自分がどう思うのか、しっかりと考えを持つことが大切だ。

 

 

 1.「妻の暴言 被害が顕在化しにくい精神面への暴力」

 2.「妻のモラハラへの対処法」

 

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