子の連れ去り問題は裁判所だけを叩いても変わらない
実子の連れ去り問題について声を上げる記事が上がってきましたね。
「我が子と会えない」母親たちが悲痛な訴え
https://www.bengo4.com/c_3/n_11745/
母親目線オンリーでの訴えなのが少々引っかかる記事です。
実際、この記事内でも団体内に所属している女性は3割程度と記述されておりますから、
連れ去り問題で悩んでいる多くの方はやはり男性なのでしょう。
ただ、かといって女性の被害者はいないなどとは思いません。
実際に弊所にもたまに女性の方からお問合せを頂くことはありますから、
こんな問題は男女を問わず往々にして起こりうるものなのでしょう。
問題への皮切り口として女性の立場で被害をピックアップしたことも、
良い、というか、仕方がないかな、とは思います。
男性が被害者の場合、皆、真剣に悩んでどうにかしたいとは思っているのですが、
あまりこういったことを全面的に世間に訴えることまではやりたがらない方がほとんどなので。
男性は家の中の失敗談を晒すのは己の地金を晒すのと同義ですから、
これについてはしょうがないかな。
ただし、これを足掛かりにして子を連れ去るのは夫、DVした上で責任を擦り付けるのも夫、などと、
問題発生のヘイトを夫に向けるような論調に誘導したりするのはやめて頂きたいですね。
実際にそのようなことをされているのは男性側なので。
子に夫の悪口を吹き込んだりするのなんか、妻や義理母の専売特許みたいなものでしょう。
また、今に始まったことではありませんが、
この手の記事は最終的に「裁判所のせい」といった論調にまとめているのが腑に落ちません。
実際の連れ去り現場では裁判所の判断よりも、
妻側についた弁護士が子との面会を阻止しようと躍起になっているようなケースが多々あります。
裁判所がどう判断したか、なんて関係ありません。
巷じゃあどう言われているかは知りませんが、
実際、弊所で伺っている限りでは裁判所も面会については意外と柔軟な判断を下しておりますよ。
ただ、その判決や審判に従わないのが弁護士です。
「怖がっている」、「面会の準備に時間がかかる」などと言い張り、
面会の命令や約束を無理やり引き延ばそうとします。
所謂、牛歩戦略のようなものですね。
特に最近流行り(?)みたいになりつつあるのが代理人を名乗り、自分を通せと言うくせに、
夫が連絡をしても一切返事をよこさないといった手口です。
数日返ってこないとか、そんなレベルじゃあありません。
平気で一か月以上放置したりします。
そしてしびれを切らした夫が連絡を入れ続けると、
「あなたがしつこく連絡をしたせいで面会が台無しになりました!」と責任転換するメールを打ってきます。
これは冗談でも何でもありません。
本当にこういった手口を使う弁護士はおりますし、
個人的な体感で恐縮ですが、相談案件で最近、やたらと増えてきたなと感じます。
それに被害者が夫の場合では郵便物が届けられないため、
調停や訴訟等の裁判所絡みの手続きを進められないという最も大きな問題もあります。
この記事を読んで「女性はまだマシなのだな」と思いましたね。
少なくとも夫の居所が分かっていて、裁判手続き自体は勧められるのですから。
男性の場合、DV保護命令によって相手方の居所や住所すらも明かされないため、
それすら叶わないようなケースが少なくありません。
自分達は法の権利をこれ見よがしに主張するくせに、
夫には法の救済を受けられないようにする、そういった手口に走る弁護士が多くいるのも事実です。
想像で書いているだけ?
へぇ。
今(2020/09/17現在)、弊所で請け負っている案件でそのような活動を行っている弁護士がいるのですが、
それについてはどうお考えですかね。
この問題に高い意識を持っているというのであれば、
通報したらどうにかしてくれんのかよ。
なんにせよ、この問題は司法判断だけのせいにして、
「裁判所が悪いんだよね~」といった論調に逃げないようにして頂きたいですね。
もちろん、司法判断の変更によって問題を根治したいという取り組み自体は否定しません。
仮に女性の立場での被害申告がきっかけであったとしても、
子の監護実績に対する判断基準が変わってくれば男性の被害者にとっても影響があるはずですから。
アプローチの仕方が間違っている、と言っているわけではありません。
ただ、今現在、そういうテーブルで運用されているからといってイカサマを黙認していたら、
ルールが変更される前に打ち子が潰れてしまうだろうと言っているのです。
2020.09.17 wrote
行政書士 吉田 重信