夫婦は愛情だけでは決して続かない
「壊れにくい家庭の作り方」題目
3.「気持ちだけで繋がっていられるほど人は軽くない」
書いた人
離婚・家庭問題はお任せください
行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
秀和システム様より、本を出版しております
「プロが本音で書いた男のための離婚の本」
生活は綺麗事だけでは済まない。
気持ちだけではやっていけないことも多々ある。
だから、愛だの恋だの信じてるだの、
そういった抽象的なものをよりしろにして家庭を作ってはいけない。
この手のものは人が抱く感情の部類では、「軽い」。
感情的な想いや動機は一時の高ぶりが激しいものであればあるほど、
何かがきっかけとなって、ある日コロリと変わってしまうような危険性も孕んでいるんだ。
感情には持続性ってものがないからな。
潮が引く時は一瞬なんだよ。
満ち引きなんかで事情が変化したりするような不安定なものは、
家庭の主軸として据え置くべきではないな。
ここ最近、芸能人カップル等でもこれまで仲良くやっていたのに、
いきなり激しい対立や急な離婚に走ったりするようなケースが見受けられる。
これも主に家庭形成の主軸が、感情面に傾きすぎてしまっているから起こる事象なんだよ。
今の社会は色々な意味で平和だ。
生きていく為という崇高な動機で結婚するような人は少ないだろう。
愛があるから、一緒に生活するんじゃないのかって?
アホか。
人は「生きる為」に生活してんだよ。
愛のある生活とやらのために生きようとなんかして、どうするってんだ。
昨今ではそういったサツバツさを家庭内に持ち込もうとしないから、
家族の共同体精神が非常に弱くなってきている。
物事の本質を、まるで不潔なものかのように扱う傾向が強くなってきた影響だろう。
僕は社会の無菌化と呼称しているがね。
浄化みたいな行為と同一視して、
それを推進している連中もバカなんじゃないかと思う。
生きるってのは痛みもあって、汚れる。
理想に近づくよう努力することはできても、理想の中に生きることはできないんだ。
そこから目を逸らすってことは、
生きているんじゃなくて、生かされているのと同義なんだよ。
昨今の社会は知識や常識を尖鋭化し過ぎる影響で、
生き方への多様性、許容性というものがどんどん狭まってきている。
皆、自分の好きな事だけを、好きな形でしか見ようとしないだろう?
汚れに触れ、体験してみようともしない。
臨機応変に立ち回って生きる覚悟もなく、
夢見心地のまま家族なんか持ったら崩壊するに決まっているだろう。
感情的な繋がりなんていらないとか言っているわけじゃない。
それがあってこその家族であり、夫婦だ。
しかし、それでも、愛だの恋だのの抽象的な動機を主軸としている家庭は危険だと思う。
女はそうであっても良い。
元々、恋に生きる生き物だ。
しかし、少なくとも、男が言うべき意見ではないな。
手厳しいことを言った。
だが、やはり、おかしなことを言っているとは思わない。
・家庭の作り方のワンポイント
妥協、そして純粋な動機。
家庭を崩壊させないポイントはこの二つだろう。
妥協は余裕を生み、ブレない動機は知恵を授ける。
不安やトラブルのない家庭なんて、有りゃあしない。
リスクを受け流せる流動口のようなものを作っておくと良いだろう。
そのためには自分だけでなく、パートナーの事もよく観察しないといけないな。