スピード離婚ほど執着を生む
「早期の離婚特有の問題点」題目
2.「スピード離婚ほど執着を生む 恋愛に近いトラブルの形態」
関連法律知識
書いた人
離婚・家庭問題はお任せください
行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
秀和システム様より、本を出版しております
「プロが本音で書いた男のための離婚の本」
早期の離婚は相手からの理不尽、不当な要求を引き起こさせるトリガーともなりうる。
度が過ぎたものに関しては、法的に対処した方が良いだろう。
しかし、エキセントリックしている人間に対して法を持ち出すのは、
最悪の悪手となってしまう場合もある。
柔軟に対処するんだ。
・男の慰謝料問題の項目でも書いたけれど、
慰謝料については法的に払う必要があるかないかで考えてはダメだ。
特に早期の離婚では、な。
あくまで自分が離婚をしたい立場である場合、
早期離婚は法的に争うにしてもかなり難しい問題点を孕んでいる。
婚姻が破綻していると見られる条件のハードルが、
一般の離婚案件よりも高いんだよ。
ウソだと思うのであれば、弁護士にでも聞いてみるといい。
こんなのに対してまともに争って勝ちを得ようなんて、非効率すぎる。
それだったら、別れる費用と割り切って、
いくらかの慰謝料を支払う覚悟で一気に決着をつけてしまった方がスマートだ。
慰謝料は所詮、金であり、物だ。
物は使いようだよ。
「法的にいくら払う必要があるのか」よりも、
「いくらまでの支払いなら個人的に許容できるか」
そのように考えるんだ。
そして、その際には感情的なこだわりは捨てること。
「離婚をいくらで買うか」、そのくらいドライでいた方が良い。
・著書でも散々書いたことだけれど、
財産分与は婚姻生活上における「清算」のようなものだ。
したがって、早期離婚案件では必然的に、やりとりする金額が少ない場合もある。
一時期、メディア等での誇張した表現もあってか、
離婚をすれば相手の資産の半分はもらえると勘違いしているような人もいる。
これに対して、「法的に間違っている」と通告するのは簡単だ。
しかし、それでは収まらない場合もある。
法的な理屈と、感情面での非難の昂ぶりはまったくの別問題だからな。
そういう場合は「財産分与」といった名目でなくとも、
いくらかの金銭を渡してやった方が丸く収まる場合もある。
別に手切れ金として、単なる金として渡せと言っているわけじゃない。
コイツは相手を納得させるためのメルクマークなんだ。
逆に相手の感情を金で買えるだなんて思ってはいけない。
下手をすると、それこそ訴訟沙汰になる。
相手が何を求めて大騒ぎをしているのか、それをよく観察するんだ。
なんかよくわからん。
わからんが、実際にこういった申出が相手の方からある場合もあるし、
それに自己意思で夫が応じているようなケースもあるから、一概に否定する気はない。
ただ、当然こんな申出に応じなければならない法的義務は無いから、
自分が承知しないのであれば、しっかりと突っぱねた方が良いだろう。
動機としては色々とあるようだ。
「別れた後も相手の経済力に依存したい」という「わかりやすい」もの。
「浮気相手とうまくいかなかった時の保険として置いておきたい」という、
もはや女性として無価値と化したとしか言いようのないふざけたもの。
まぁ、色々だ。
現代の恋愛、交際事情は多様。
僕自身も「こうするのが正しい」という定義付けなんかをして、
「正しい交際」とやらをするのは馬鹿げていると思う。
そもそも、交際ってのは不道徳ありきのものだ。
無菌化された交際なんぞ、面白くもない。
しかし、「別れる」という意思表示は、
「その後の関係も完全に断つ」という覚悟があってこそのもの。
そこは曲げてはいけない所だと思う。
それをおざなりにしていては、互いに真剣味がなくなる。
お互い、真剣に不道徳するのが恋愛であり、交際だよ。
それがない交際はママゴトか、金のみの繋がりという悲しい関係でしかない。
自分から離婚を突きつけたくせに、
その後、元夫の再婚や起業なんかを機に、しつこく連絡をしてくるような女もいる。
どこから嗅ぎつけているのかは不明だけれど、
恐らく、再婚は他人繋がりで、起業等は恐らくネット等から知ったりするのだろう。
元妻側の身勝手な理由で離婚しているようなケースでよく見られる事象だ。
正に、厚顔無恥の極みと言える。
ネットやSNSのように他人との境界線が曖昧になるようなツールが発達したりするから、
こんなファミコンレベルの人付き合いの仕方をするようなおかしな人間が出てくるんだ。
人間関係ってのは、好きなときに電源を入れて、
気に入らなくなれば切ってしまえばいいというもんじゃないだろう。
近年のストーカー冤罪事件なんかも、
ほとんどこれが原因で起こっていると言っても、過言じゃない。
なぜなら、好きな時に連絡をして、嫌になったらブッチすることを、
あろうことか法や社会が容認しているからだ。
気になった方はストーカー規正法の条文をネット検索して、調べてみるといい。
恐らく、この法律を作った人達はストーカーというものが社会問題になっているから、と、
安易に警察介入ができるようにしようとしただけなのだろう。
人がどういったことに羞恥を感じ、尊厳を傷つけられたと憤慨するのか、
そういった部分への考慮がまったくと言って良いほどなされていない。
現状のやり方では、確かに警察介入はし易くなるだろうけれど、
このままでは、痴情のもつれによる犯罪行為はより激しさを増す一方だと思う。
もちろん、取り締まるな、とまでは言わない。
警察介入は仕方のないことだとは思う。
ただ、警告を出したり、通報のあった人間を犯罪者扱いすることが、
本当に有効な手段と言えるのか?
僕は違うと思うな。
筋を通さない者に犯罪者呼ばわりまでされた人間が、
相手に対してどれほどの怒りや憎しみを抱くのか、そこまで考えていないのか。
・・・まぁ、これ以上、突っ込みすぎると話が脱線するから、この辺で止めておこう。
そういった軽薄な人付き合いをする人間は、SNS等で元夫の日記なんかを読んでいると、
別れた後でもいつでもそばにいる身近な存在であるものと錯覚をするらしい。
連絡を無視していると、新しい家庭があることを知っているにもかかわらず、
いきなり自宅に押しかけてきたりするようなケースだって、ある。
正直、これらの問題に関しては一律に処理できる技巧的な方法は、ない。
法律や警察を介入させれば、それで収まるという問題でもないんだ。
なぜなら、こちらとしては非常識で迷惑だと思っていたとしても、
相手にとっては正義と思い込んで行動を起こしている場合もあるからだ。
女の場合、特に開き直りと思い込みが激しいタイプが多い。
子を父親に会わせるため、婚姻生活時に問題だった点を非難しているだけ等、
いくらでも正当性があるかのような理由付けをしてくる。
そんな人間に対して、法律や警察を使って対処しても、
「建前の理屈を使って逃げている」と思われて、より激しい行動に出られてしまう場合もある。
こういった場合は、直接的な痛みの経験を与えてやらないと、
恐らく、止まらない。
無論、殴れ、と言っているわけではない。
ペナルティを体に刻み込む必要があるということだ。
理屈によるプレッシャーでは、細い。