ねつ造が横行するモラハラ、DVの録音証拠

ねつ造が横行するモラハラ、DVの録音証拠

 

 

最近ではICレコーダー等が普及したおかげで、
夫婦問題でも相手とのやり取りを録音して持ち込まれるような事例も増えてきましたね。

男性の場合、妻の暴言や暴行の様相の記録として残す方もおりますが、
妻側にご自身が激高している録音を取られてしまったりするようなケースもあるでしょう。

 

実際に怒鳴っていたのならしょうがないじゃん、と思われるかもしれませんが、
これはそんな単純な物差しでは図りきれない問題でもあります。

 

録音というものは起こった事実を音声でそのまま残すことができるものですが、
その事実の前後については何ら証明などしてくれません。

要はそれが起こった背景についてまでの証明力は持たないため、
極めて結果主義的な性質を持った証拠だと言えます。

 

そして、そういった性質を逆手にとって、妻が夫に対してわざとふざけた態度をとり続け、
限界を迎えて激高した夫の言動を録音してモラハラ、DVを主張するようなケースもあります。

 

素人としては立ち回りが鮮やかすぎますし、
なによりもそんなねつ造証拠を裁判所に提出しようとするなど一般人のする発想ではありません。

突き詰めてみると結局、すでに妻側には弁護士がついていて、
夫を逆上させてでも暴言の証拠を取るように、と、裏で指示していたりするわけですね。

 

理由はどうであれ、激高している事実がとれればいくらでも被害申告の材料にできますから、
その後の別居や子の連れ去りの正当化なんか流れ作業でしょう。

後は割れた茶碗か壊れたヤカンでもあればカンペキ()なんじゃないですか。

 

 

冗談みたいな話に聞こえるかもしれないけれど、残念ながらこれは冗談でもなんでもないんだな。

 

以前、ヘコんだヤカンを法廷内に持ち込んで、
これがDVの証拠です!と息巻いて提示した弁護士が実際にいたんだよ。

 

 

なかなかにシュールな絵面だよね。

とても有能な人間のすることとは思えない。

 

 

大体、ヤカンのような日常的に使用する道具に傷や指紋が付いたりするのは当たり前だから、
その物体の有り様一時をもって事件性を訴えるなんて無理ありすぎなんじゃねぇの。

状況証拠でしかないじゃん。

 

結局、こんなバカみたいな理論を振りかざすのは、
前提となる録音証拠があるから押し切れる、と思っているからなんだよな。

出そろった事実についての法的判断には先例主義の傾向が見られるけれど、
事実認定では裁判官の心証も重要になるから、こういった無茶ぶりが未だに横行していたりするわけだ。

 

すぐプロに相談して下さい、というような広告が目立つ昨今でありますが、
相談を検討される方はまず相談をする前に「それ」がなんのプロなのかをよく見なければなりません。

 

相手をやっつけて終わりにしたいのか、それともお互いに不問にして終わるのか。

 

僕はやはり後者をお勧めしますね。

どちらかが一方的に悪い離婚なんて、早々、お目にかかれないものですし。

 

そして人にこれ見よがしに勝ってしまう、というのは、後に恐ろしい結果を招くこともありますから、
そういった人生経験をされていない”専門家”には注意しましょう。

互いに拳を下すという結末があるということは、やはり大人として知っておいて頂きたいですね。

 

そういった理由もあって、夫や妻の一方を徹底的に悪者にして離婚話を論じたり進めたりする人物は、
家庭にとっても社会にとってもかなりの危険人物かと思います。

 

何言ってんだよ、他人のくせに。

 

特に最近では高学歴の冷血夫を弁護士がやっつけたみたいな広告が目につきますが、
今はそういうのが流行なんですか。

 

高学歴は攻撃的で都合の悪いことは論点を逸らして自己正当化するような論理を振りかざし、
弁が立つ上に外面が良いため調停員も騙されやすい。

そして相手を「下」に見ている・・・か。

 

 

これは、弁護士のことを言っているんだよな?

 

 

家庭はどうあっても当事者のみしか主役になれない世界です。

特に子がいた場合は離婚をしたからといって、家族関係は完全に断たれたりはしないものです。

 

そのような背景を考えますと、夫婦の一方を成敗して正を成したかのような論調は、
家族というものの捉え方を根本的に間違えていると言わざるを得ません。

 

金の請求時のみ家族関係を主張するような連中に、家庭の専門家を名乗らせてはなりませんね。

 

 

2020.12.10 wrote

行政書士 吉田 重信

 

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