親権の変更と喪失

親権の変更と喪失

 

 

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行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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父母の一方の単独親権となることが決定した後でも、
子の利益のために必要があると認めるときは、家庭裁判所は子の親族の請求により、
親族を他の一方に変更することができます(民法819条6項)。

 

子に適切な生活環境を与えない、教育を受けさせない等、
親権者が親として極めて不適切と言えるような場合には、親権の変更が認められる可能性があります。

また、親が親権を濫用したり、素行が著しく不品行である場合には、
親権自体を喪失させることも可能です(民法834条)。

必要以上の折檻(いわゆる虐待)をする、子の財産を勝手に処分する等、
親権者であることを利用して、子に対して不利益な行為を親権者が行っている場合には、
子の親族又は検察官からの請求によって、家庭裁判所は親権の喪失を宣告することができます。

財産管理のみに問題がある場合には、
財産管理権についてのみ喪失させることも可能です(民法835条)。

 

ただ、これらの規定は道徳的非難や懲罰のために親権を喪失させるためのものではない、
ということに注意する必要があります。

 

 

 

 

親権者の決定は子にとっての利益と福祉という観点から決められるものですから、
離婚に対する有責性等よりも、子がその後の生活を送る上で有用と言える環境の具備や、
子の年齢、意思等を総合的に見て判断されます。

こういった理由から、離婚の原因が妻側にあるような場合であっても、
親権は妻に取られてしまうようなことが実は少なくありません。

特に子が乳幼児である場合等は、まず余程のことがないかぎり母親が親権者とされるでしょう。

男性にとっての親権問題は基本的にはネガティブな情報ばかりになってしまいます。
しかし、それでも父親では親権が取れないというわけではありません。

 

たとえば、母親が子を虐待しているような場合です。

現在、親からの身体的虐待や育児放棄(ネグレクト)による虐待死が社会問題化されておりますから、
家庭裁判所も虐待の事実がある親に対しては厳しく対処する傾向にあります。

 

ちなみに、親権は一度引き受けた以上、勝手な理由で放棄することはできません。

 

親権は権利であるのと同時に、義務でもあるからです。

 

 

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 父親は親権者になれるか

 親権を取りたい父親が考えなければならないこと

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