別居による子の連れ去りの正当化に対する違和感

別居による子の連れ去りは正当化されるのか

 

 

年収800万モラハラ夫が青ざめた…45歳主婦が別居勝ち取った壮絶計画

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73740

 

 

何なんすか、この記事は。

子の連れ去りを推奨してんのか。

 

理由があったとしても勝手に連れていくなよ。

 

こんなことされたら夫が「今どこにいるのか」と聞くのは当たり前じゃないか。

 

なんか警察への通報や連れ去り勝ちの法テクを理由にして正当性があるかのように偽装してますけど、
こんな手口をメディア上で当然のことかのように宣伝されてはたまりませんね。

 

連れ去りの違法性につきましては現在まだ議論の余地のある問題ですが、
現状、違法と断定されていないからといって、やっても良いと考えるのは異常だと思います。

家族、家庭問題の専門家なんだよね?

 

妻の親等も協力して別居を勝ち取ったなどと美談ぽい話にしておりますが、
実際の事例では親族や友人が妻と結託して夫を悪人に仕立て上げようとするケースが多くあります。

 

これは妻が不貞をしていたりする場合でも同様です。

同様どころか、そういったあからさまに有責な事例であるほどこの傾向は強くなります。

 

この記事の事例が妻側の主張のみ聞いたものだとしたら、
こういった仲間と協力して夫に立ち向かったという話も何か薄ら寒いものに感じませんか。

 

 

また、夫の学歴や立場を理由に「括り」をつけて論じる様もあまり褒められたものではありません。

 

これは所謂、そもそも論的な話題の切り口なわけですが、
このように夫の人格を否定する論調は事件を法的に論じることを放棄しているのと同義です。

 

実際の事例を相手にしているのであれば、
原理論などではなく、あくまでも事件の中身で論じなければなりません。

 

そういえば以前も「モラ夫」などという蔑称を用いて、
事件の相手方である夫の動向を小バカにしているような論調の記事もありましたね。

なんで、たかが弁護士ごときにバカにされなきゃならないんだか。

 

はっきり言いますが、腕の良くない弁護士ほどこういった人格否定的な弁護をする傾向が強いです。

さしたる理由が用意できないから、夫の人格否定に逃げるわけですね。

 

実際の事件で弁護士がこのような主張をし始めた時は、
「他にネタがない」という裏返しでもありますのでよく覚えておきましょう。

 

 

それに婚姻費用請求のくだりも些か展開が教科書的過ぎるかと思います。

 

勝手に出て行った上で、法律でそうなっていますなんて言われて、
二つ返事で支払うわけがねーだろ。

 

たしかに婚姻費用の支払い義務は法律婚の成立をもって当然に発生するものでありますから、
原則として支払うべきものという考え方は間違いではありません。

ただ、身勝手な別居をした方からの婚姻費用の請求は、
権利の濫用として制限されうる余地がある、と判例でも言っているでしょう。

 

つまり一応、この記事の夫の言い分にも一部ですが理があるわけ。

 

そして、弁護士がそういった夫の主張を潰すためにどうしているかというと、
虚偽のDVやモラハラ被害を持ち出してくるわけです。

被害から逃れるために別居したのだから、原因は夫にある、と。

 

これは実際の相談で腐るほど聞く事例ですね。

 

 

なんで、そこを端折るわけ?

 

 

勝手に出て行ったという夫の言い分を封殺するために、
君達弁護士が普段どんな手口を使っているのか、自分の口で言ってみな。

 

 

ちなみに僕も調停で婚姻費用は請求されました。

僕は一円も支払いませんでした。

 

相手方弁護士はDVを受けただの法律上の義務だのと騒いでおりましたが、
結局はそういった形で決着がつきました。

 

おわり。

 

 

2020.07.04 wrote

行政書士 吉田 重信

 

 前コラム コロナ離婚、コロナ離婚うるせぇな

次コラム 子の連れ去り問題は裁判所だけを叩いても変わらない 

 

・コラム一覧に戻る

error: Content is protected !!