養育費の金額及び支払いの注意点
「養育費について」題目
2.「相場と払い方 妻からの高額な請求への反論」![]()
関連法律知識
お知らせ
書いた人

離婚・家庭問題はお任せください
行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
出版物 Amazon、楽天にて販売中
「離婚を考えた男が最初に読む本」
![]()
![]()
養育費の一般的な相場については、
裁判所が発行している「養育費算定表」を参考にすると良いだろう。
お互いの収入をあてがえば、大体の相場の予測はつくはずだ。
相手から法外な金額を請求された時なんかは、
この算定表の金額が役に立つ。
いざという時のために目を通しておくのも良いだろう。
ただし、養育費算定評の金額はあくまで目安で、
必ずこの金額で決めなければならないというわけではない。
協議離婚における養育費等の子の監護について必要な事項については民法上、
原則として互いの協議によって定めるものとされている(民法766条)。
だから、必要に応じてここでもうまくアドリブを効かせるんだ。
そうした方が協議もまとまり易くなる。

現在の養育費の額の算定法に関しては、
義務者の収入によって上限なしに上がっていくのが現状だけれど、
個人的にこのやり方での算定はそろそろ限界に来ているんじゃないかと思う。
自営業をされている方なんかは、「どうせ稼いでも養育費が増えるから」と、
意図的に努力することを放棄してしまっているようなケースも実は少なくないんだ。
これは経済成長面での大きな損失だと思う。
・・・そこを含めて努力するのが男の甲斐性だろうって?
今は現実の話をしているんだ。
ファンシーな話がしたいのなら他所でやってもらいたい。
たしかに養育費は子が義務者と同等の生活を営むための包括的な費用だ。
月払い方式で、現金支給を原則とすること自体に異論はない。
しかし、それでも毎月、7ケタくらいの養育費をもらっている話なんか聞くと思うわけだ、
一体、何を養育しているんだろう、と。
高額な養育費を受け取っているようなケースでは、
受け取る側が自活の努力を怠っていると言わざるを得ない事例だって、ある。
酷い場合には身内の生活費や商売費用にまで、
養育費収入をアテにしているようなケースだってあるんだ。
そんな状況、子の情操教育上、いい影響があるとは思えないな。
それに、自活の努力をしていないということは、
それだけ母親は社会でのキャリアを重ねる機会を設けていないということになる。
万が一、養育費が大幅に減額されるようなことにでもなった場合、
急に社会に働きに出て、生活を維持する能力があるのか。
一度、根付いてしまった生活レベルってのは、そう簡単には引き下げられないんだ。
つまり、その後の生活を破綻させないためには、
もらっていた高額な養育費と同程度の稼ぎを上げてこなければならないということになるな。
無理だろ。
阿呆みたいに高額な養育費を与え続けることは、
長い目で見れば母親のためにもならないことなんだよ。
せめて上限くらいは設けるべきなんじゃないのか。
これまでの養育費の議論は請求する側の権利を重視する話ばかりで、
支払義務者側の立場から議論された話を聞いたことはほとんど、ない。
単純に、物事を決める立場にいる人間が、
実際に養育費の支払い云々に直面している立場に立ったことがないからだと思う。
だから、「か弱きものを守る」、「女性救済」という、
分かり易くて耳ウケの良い軸からでしか物事を捉えようとしないんだ。
そろそろ将来に向けて、システムを再考しても良い段階なんじゃないのか。
・・・まぁ、この辺でやめておこう。
あまり突っ込みすぎると、政治の話になってしまうからな。
最後に、養育費の払い方に関して一つだけ。
まとめ払いはしないことだ。
仮に一括払いするから、その後の請求は無しで、と約束していたとしても、
事情によっては追加請求される可能性はある。
冒頭でも説明したけれど、
養育費は子が親と同等の生活環境を求める権利を根拠としているものだからね。
大きく事情が変更するようなイレギュラーなことが起これば、
そのような事態も十分考えられる。
それを踏まえた上で考えると、
男にとって養育費をまとめ払いするメリットは、ない。
安易にまとめ払いの要求には乗ったりしないことだ。
