妻の暴力・逆DVの原因と対策
「妻の暴力・逆DV問題」題目
1.「女の暴力は固有の問題」
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書いた人
離婚・家庭問題はお任せください
行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
秀和システム様より、本を出版しております
「プロが本音で書いた男のための離婚の本」
DVというと一般的な観点では男から女へ行われるイメージが強いと思う。
あくまで、一般論でな。
そういった事情もあってか、男性のDV被害を論じる際、
女性のDV被害と同じベクトルで論じようとする人も少なくない。
でも、女の暴力ってのは固有の問題なんだよ。
行われる暴力の内容だけでなく、
それが起こる原因や背景なんかも、男のそれとは全然、違う。
手厳しい言い方になるけれど、
男女間の暴力を単純な腕力の差なんかで論じようとする人はバカとしか言いようがない。
こんな暴論に走ってしまうのは、
恐らく、男性のDV被害の実態を知らずにイメージだけで論じようとしているからだろう。
痛みってのは、肉体的、精神的な面も含めて、
加害行為の内容に関わらず、個人個人によって感じ方は違うんだよ。
だから、単純な腕力なんていう「ものさし」で被害を論じることができないことくらい、
少し考えれば誰でもわかることだろう。
それに、女のDVは腕力にモノを言わせた行為に限らない。
刃物を使うようなケースだって、ある。
ここ最近じゃ、飲食物に毒を仕込んだりするのが流行りらしいな。
さんざん、ニュースにもなったはずだけれど、
DV法の制定時に大騒ぎをしていた女性支援者の人達はなにをしているんだろうね?
こういったことを説明していると、「でも、男性の被害者の数は少ないでしょ」という、
一々突っ込むのも頭が痛くなってくるような反論(?)が出てくることもある。
被害救済の必要性を「数」で論じようとすること自体が間の抜けた話なのだけれど、
まあ、それについては脱線気味になるから、ここでこれ以上は触れない。
あくまで「男性の被害者は少ないのか」という部分に絞って話をしよう。
「内閣府 平成23年度 男女間における暴力に関する調査」によると、
配偶者からのDV被害があったと申告した人数が681人、
うち、女性が462人で男性が219人と、その割合は女性の被害者が七割弱、
男性の被害者は三割程度となっている。
コイツは政府による統計調査だ。
この数値だけを見ても、男性のDV被害者の数が、
女性のそれと比べてみても決して少ないわけではないことがわかるだろう。
さらに、この調査結果には数字のマジックが潜んでいる。
このデータは女性1403人に対し、男性1195人と、
計算の元となる「母集団」の数が元々男性側が少ない形で算出されたものだからだ。
男女同数で計算し直すと、
実にDV被害者全体のうち35.7%が男性であるということになる。
ちゃんと、客観的なデータが出てるだろ。
男性のDV被害者が少ないだなんて、ただのイメージに過ぎない。
もっと言おうか?
男性のDV被害ってのは、女性以上に表に出てきにくい問題なんだ。
理由は一々、言わなくてもわかるだろう。
被害を受けているからといって、男が他人に泣きつけるか?
女性に被害状況を聞き込みするのと同じ感覚で調査をしても、
被害の実態なんか出てこないんだよ。
そういった世情による背景も踏まえた上で考えると、
男性のDV被害者の潜在数はこの統計調査以上に多い可能性だって十分に考えられる。
男のDVと女のDVは別の問題。
同じDVなのだから、と、同系列で語るのはナンセンスだ。
この問題を取り扱うには、まず、その認識から変えていかないといけない。