匿名裁判は被害者側に必罰リスクを負わせなければ不平等
なんか、ここ最近は衝撃的なニュースが多くて休んでいる暇がないな。
刑事裁判における逮捕状や起訴状には被害者の情報が記載されるものだが、
それを加害者側に通知しなくて済む制度が発足するようだ。
読売新聞オンライン様からの引用
逮捕状や起訴状の被害者名を加害者側に秘匿、
15日から新制度…被告側の「反証」困難との懸念も
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240208-OYT1T50031/
しかも、既に今月の15日に開始を控えている状態らしい。
でも、この制度の内容って、冤罪被害に対するリスクがあまり検討されていないよね。
泣き寝入りを防ぐ目的ももちろん理解はできるのだけれど、
女ってのは裁判とかの厳かな場面でも平気でウソをついたりする場合もあるんだよ。
実際に有耶無耶にされてしまっているだけで、
これまででもそういったいいかげんな訴えで男性を裁判にかけたような事例はあったじゃん。
ああいった事例について、被害を訴えた側に何か罰は下ったのかな。
そして、冤罪被害で失ったものに対して、男性に何か責任は取ったのかな。
匿名裁判なんて過大な被害者保護の新制度の発足をさせるにあたっては、
そういう当たり前のルーチンを確立させてからだと思うんだけれど。
記事内でも刑事弁護専門の弁護士や大学教授が言及しているが、
被害者側の都合だけで情報の出す出さないを決められるのは、極めて平等性を欠く。
初手でそれを認めてしまうと、被告側の防御行為に支障をきたす恐れがあるからだ。
記事内の弁護士の言っていることはもっともなことで、
被害者側の情報を伏せられた状態だと、疎明を行うための十分な情報収集ができない。
物的証拠なんかの明確な証拠以外の面においても、
収集した上で議論に持ち込むべき事実や情報はあるはずなんだ。
僕は立場上、当然、刑事裁判に関与することはないのだけれど、
裁判外においてもこのアプローチは重要だから、本件がいかに重大かは理解できる。
直接的な証拠が出てこないような案件では、
事件の外側から事実を推認できるような情報をかき集めてこなければならない。
そして、それをするには被告と被害者の関係や、
それを取り巻く日頃の対人関係はとても重要な情報収集源なんだ。
この制度は、そういったところに物理的にフタをしてしまいかねない。
冤罪被害においては、被告側の救済口を潰してしまう可能性がある。
この制度を施行するにあたっては、弁護活動のために必要な範囲は原則開示、
不開示にしたい場合は理由を明確にさせた上で初手で個別検討を義務付けるべきだ。
その上で、冤罪や悪意が発覚した際には、
制度を悪用した被害者側には書類送検及び起訴処分を確定的にする。
こういった強烈な保護制度を発足するにあたっては、
趣旨を違えた利用に対してはそのくらい厳しいペナルティがあって然るべきだろう。
警察側は被害者の情報を確定的に握っているのだから、
当然、そのくらいはできるはずだ。
リスクがあるから、人は真剣になるのだろう。
なんのリスクも負わせずに保護体制だけを整えたら、
それを悪用しようと考える輩が出てくるのは当たり前じゃないか。
制度設計をするにあたっては、性善説を採用してはいけないと思う。
2024.02.10 wrote
行政書士 吉田 重信
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