弁護士以外が行う退職代行は違法?

弁護士以外が行う退職代行は違法?

 

 

なんか面白いのが出てきましたね。

ウチは退職代行はやってないので直接関係はないのですが、
下記記事にはどうにも引っかかる点が多かったので紹介させていただきます。

 

以下、ダイヤモンドオンライン様の記事からの引用です。

 

退職代行サービス急増で「違法リスク」懸念大、事業者選びの注意点とは
(ダイヤモンドオンライン様 引用)

https://diamond.jp/articles/-/314174

 

記事内では退職代行は弁護士以外の者が行うと違法行為になる可能性が極めて高いので、
代行は弁護士に依頼すべきという論調がピックアップされているのですが・・・。

 

えぇ・・・

本当に???

 

いや、退職代行自体は弁護士以外が行っても違法じゃねぇよ。

 

ただ、立場上の線引きは必ず存在するから、その点をはき違えたり、
依頼人に誤認させたりしないように業者側も無責任な契約をしちゃならんよというだけの話でしょう。

 

この弁護士が言うには退職代行は労働契約の解除という法律効果が伴う行為だから、
弁護士以外の者は退職の意思を伝えるだけでも違法になる恐れがあるとのことなんだけれども。

 

う~ん・・・

なんか大事なところが抜けてない?

 

保険代理店や不動産業者が行う契約代行とかも違法だとか言いたいんですかね。

 

弁護士法の条文の引用についても、一部の都合の良い所だけ搔い摘むのではなく、
ちゃんと全文を掲示した上で論じるべきかと思いますが。

 

弁護士以外の行うネットの書き込み削除代行が違法とされているのは、
公開を原則としている掲示板等は削除申請自体に紛争性が内含されていると判断されたからでしょう。

受理が原則とされている退職願いの代行とは、
そもそもの法的判断を行う上での前提要件が異なります。

退職の意思表示をする権利は、誰でも争いなく当然に持っているものですし。

 

これをごっちゃに考えて論じたりするのは、
法律専門職としてちょっとあり得ないかと思いますけど。

その点、どうなんですかね。

 

 

結局のところ、この記事は、

 

1.退職代行は労働契約の解除を目的とした契約

2.退職は雇用主との争いが前提となる

 

この二点に対して書き手の思い込みと希望的観測が介在したことで、
実態との剥離が生じているのだと思います。

 

ただ、上記記事や弁護士に対して少々フォローアップすると、
記事内設例のように退職申出時から既に雇用主と大きく揉めているような事例では、
その後に退職意思を投げかけたところで交渉を要するのは必至であります。

 

なので、このような事例においては初めから弁護士を選択するのがベターでしょう。

こういった交渉前提の事例で一般の代行業者を利用して、
「最初に手紙を送っただけで何もしてくれなかった」というトラブルも実際に耳にしますから。

 

でも、退職代行を使う客層のコアって、辞めたいと言っているのに辞めさせてくれない人じゃなくて、
辞めたいと思っているけれど言い出せない人だと思うんだよね。

会社側だって代行業者まで出張ってきているのに、
絶対に辞めさせんみたいに突っ張ったりする所なんて稀でしょうし。

 

だから、こういった極端な事例のみを切り取って、
弁護士以外の退職代行は違法です、みたいな記事を出したりするのはやっぱり不公平なんじゃないのかな。

 

代行業者も自分達は弁護士ではないから、代行は退職意思の伝達と、それに纏わる事務処理だけ、
それ以上の交渉が必要な場合は弁護士事務所に行くこと、

あと、これは手続きの代行契約であって、労働契約の解除を目的とした契約はできない。

 

最低でもこれらは依頼者に明確に伝えるようにしなければなりません。

 

この点はちゃんと契約前に面談をした上で、
口頭でしっかりと要点を伝えてくれる業者がベストですね。

ウェブサイト上に約款とかのっけて、「目を通しておいて」みたいな形にしているところは、
僕としてもやはり要注意だと言っておきます。

対価を支払ってサービスを受けるからには自分が望んだ内容でなければ意味がありませんし、
業者側にはそれを顧客に明確にする義務くらいはあるはずですからね。

 

広告上で弁護士が顧問についていることをウリにしている業者も見かけますが・・・
退職代行に限った話ではありませんけれど、こういったやり方には個人的に懸念があります。

自分で構えている胴元は、
己の責任と能力で管理できないのであればやるべきではないです。

 

テメーを張ってカンバン掲げられないんだったら、やる資格ないってことだよ。

顧客に対して不誠実すぎるじゃん。

 

名前を出すことを許可している弁護士も、もっとその辺をちゃんと考えないと。

事業所に常駐して常に事務を監督しているというのであれば何も言わないけれど、
恐らく、そういった状況ではないはずでしょう。

 

 

あと、ついでだから言わせてもらうけれど、
そもそも退職代行ってサービスは弁護士以外の一般の方が立ち上げたものじゃなかったっけ?

それを注目浴びるようになったら「違法の危険性がありまぁす!!」とメディアを利用して追い込みをかけて、
弁護士が総取りするような論旨を展開するなんて。

 

 

些か、ヤリ口が卑怯すぎるんじゃないのかい。

 

実際に違法認定を受けたわけでもないんだぜ?

 

 

なんか前にも似たようなことしていたよな、アンタら。

 

弁護士がテーブル上を実質的に独占するようになった結果、
離婚事例なんかでは子どもの連れ去りや夫側への弁護士利用の実質的な強要、
面会には第三者機関を利用させるようにする弁護士同士での談合が横行しているのが現状なんだよ。

 

 

実情を単一業界内で内々に処理させないためにも、業者の選択権、多様性は必要だと思います。

 

 

一つの社会問題を弁護士の独壇場にしてしまうことこそ、
実態面や監視面から見ても極めて危険だと言えるのではないでしょうか。

 

 

2022.12.09 wrote

行政書士 吉田 重信

 

 前コラム 妻側が下手に出てきた際の注意点

 

・コラム一覧に戻る

error: Content is protected !!