妻や不倫相手に対して慰謝料は請求すべきか
「慰謝料請求の実態面」題目
1.「妻や不倫相手に対して慰謝料は請求すべきか」![]()
関連法律知識
書いた人

離婚・家庭問題はお任せください
行政書士明和事務所
行政書士 吉田 重信
出版物 Amazon、楽天にて販売中
「離婚を考えた男が最初に読む本」
![]()
![]()

慰謝料は法的観点からの責任の補填に当たるものだ。
結局のところ、なにかしらの責任に対して法的に形ある行為を要求する場合、
金による清算が最も手っ取り早い。
如何に気持ちの上でそれ以上のものを要求しようとしたところで、
法的な面で履行を促せる範囲にも限界がある。
日本の法律ではハンムラビ法典よろしく、目には目を、とはいかない。
そのため、世間に対する謝罪命令等も一部では存在するが、
個人間においては金銭的な負担をもってその事実を慰謝する形が一般的になっている。
これが慰謝料に関する基本的な捉え方だね。
離婚においても、その原因を作った側には慰謝料が発生すると考えられている。
ただし、これはあくまでも法律という理屈上での話だ。
実際の事例においては権利義務が発生しているかどうかよりも、
どうしたら話を都合よくまとめられるかを考えることが重要な場合もある。
特に男性の場合は慰謝料を請求できるとしても、
それをしないでおいた方が円滑に事が進むようなケースも少なくない。
例えばだが、妻が現金を持ち合わせていない場合。
こういった事例で慰謝料をなんとしてでも支払わせるなんて考えていると、
いつまで経っても離婚に向けた話は進まないだろう。
話が進まないだけならばまだマシで、
そういう堂々巡りの案件では、警察に持ち込まれてしまうような事例も少なくない。
なにもしていなかったとしても、そういったこともあり得るのが男の離婚なんだ。
だからこんな事例では慰謝料請求権は離婚話を進めていくための切符だと思って、
手続きを手早く進めるために切ってしまった方がよろしい。
そこを理屈上で追いかけたところで、
素直に支払ってもらえている事例は極めて少ないということは理解しておくべきだ。
ただ、勘違いをしないでもらいたいが、
男は慰謝料なんか請求しない方が良いと言っているわけじゃない。
事例によっては請求(清算)できる場合もあるし、
むしろ、した方が良いような場合もある。
例えば、妻が現金を用意できなかったとしても、
財産分与上等で妻側の取り分が潜在的に存在しているような場合だ。
こういった場合は、遠慮をする必要はないだろう。
自分が財産を分与する立場ならば、
妻側の取り分から慰謝料分を差し引くという形でまとめるようにすればいい。
これは金は実際に握っている方が強いという、法律上の原則論があるからだ。
資産を夫が握っている以上、その分与に対して異論があるのであれば、
それは要求する側である妻が具体的な数字を立証した上で取り立てなければならない。
つまり、この場合は事例に対して妻側が風下に立つことになるから、
夫は自ら遜る必要がないということだね。
だからそういった事例で、れっきとした理由があるのであれば、
慰謝料分は堂々と話の中に踏まえた上で手続きを進めていくべきだろう。
あとは、相手の有責性が極めて明確である場合。
例えば探偵等を雇っていて、
既に不倫の事実等の証拠がばっちり残っているような事例だね。
こういう事例で仏心を出したり甘い対応をしていると、
妻や不倫相手が悪びれず、後々になって大きな問題に波及するようなこともある。
加害者に負荷を負わせないってのは、
対人関係においては上か下かの話になっちゃうんだよ。
加害者にコイツはなにをしても抵抗してこないという、
ヤバい勘違いをさせてしまうきっかけにもなりかねないんだ。
仮に条件付きであったとしても、同じことだね。
そういうツメを見誤ったことで、
その後の関係性において対処しがたい状況に陥っている事例は存在する。
子の面会が関わる案件でそういう関係にでもなってしまったら、
非常に悩ましい問題にされてしまうだろう。
だからこんな事例においてはケジメとして、慰謝料請求は行っておいた方が良い。
仮に金が欲しいわけじゃなかったとしても、
なんらかの形で相手に等価交換としての負荷を負わせることは必要なんだよ。
慰謝料はただの金銭債権であることには違いないが、
金を支払うという負荷を負わされることは敗北のメルクマークでもある。
「やったらやり返される」という、
対人関係での当たり前を相手の意識に刻み込む重要なプロセスでもあるんだ。
そして、離婚という手続きにおいては、
この慰謝料という領域がある意味ではもっともバイアスをかけやすい。
男の場合は金というよりも、ツールとして考えていた方が良いということだね。
請求するか、しないかよりも、
いかにそれを扱うかという観点から考えてみると良いだろう。
