２８ページの文章をどう捉えるべきであったか
公表された文章に対して様々な見解が上がってきましたね。
世間的に注目度の高い話題でありますから、
多様な議論が展開されるのは仕方がないかと思います。
しかし、前評判や先入観もあってか、
かなり歪んだ捉え方をされてしまっているようにも見受けられます。
ニュースサイトやワイドショーなんかで外野の弁護士等の見解も見ましたが、
あいかわらずズレているなといった印象です。
法律に拘り過ぎている等、彼が司法受験生であることを揶揄したような話も見受けられましたが、
実際に文章を読んだ上で本当にそんな風に感じたんですかね。
文面からは、わかってもらいたいという思いと、
自分達なりに対応してきたはずのにどうしてこんなにも悪く言われてしまうのか、という困惑。
この二つを強く感じました。
あとはこの訴えもストレートに受け取ってはもらえないだろう、という「諦め」ですね。
悲しいことです。
注釈が多いとの批判もありましたが、
それは理解をしてもらいたい、話を聞いてもらいたいという強い気持ちの現れでもあります。
もちろん、文章構成上での問題点はありますがね。
名誉に関しての記述も確かに見られましたが、
その一記述をもって自己中心的でプライドが高いと断ずるのは歪みすぎでしょう。
名誉という言葉こそ使ってはいるけれど、
どちらかと言えば自分の社会的評価よりも今後の家族の生活を考えた上でのことだと僕は感じたな。
家族ってのは、自分と婚約者とのこともあるけれど、
母親のことも大きいと思う。
というより、そもそもの彼の反論は、
「母親を守りたい」という動機が強いんじゃないのかな。
金銭トラブルにしても年金の問題にしても、
本来的には親の問題で彼自身が矢面に立つ必要はなかったはずなんだからさ。
少なくとも文章全体からは誤解を解きたい、事情を説明したいという気持ちが大きく出ていて、
自分達は間違っていない！みたいな意固地な思いは全く感じなかったな。
辛辣な言葉を投げかけるだけならば、誰にだってできる。
近年、他人に厳しく排他的な物言いをすることがまるで優秀であるかに捉えられがちだが、
僕から言わせればむしろ、逆。
ダメ出しするだけだったら阿呆にだってできんだよ。
それだけでは彼がどうしたら良いのかわからないし、
今後、どうしたら皆が受け入れてくれるのかも見えてこない。
なに？
皆、彼が将来に絶望して自殺することでも望んでるわけ？
そんなことはないとは思うのだけれど、
辛辣に吐き捨てるだけで希望のある話をしないのはそれと同義なんじゃないのかな。
一つ動きを見せるだけでそんな話ばっかりじゃない。
法律家としての能力が低いとか、
まだ若いし、実務家でもないのだから当たり前のことだと思います。
これ、本筋に関係のない話だし、
言っている人物が気持ち良くなるためだけの物言いでしょう。
弁護士達がこぞってこのようなコメントを出しているのを見て、
ちょっと身の毛がよだちましたね。
弱っている者に対してだけは強いのな。
あまり、シラけさせるなよ。
法曹界を目指していると公表している人物に対して、
先にこのような講評を加えてしまったら、今後、どうやってその世界でやっていったら良いのさ。
こういったデリカシーのない発言は、
彼の将来を心配している等の動機では決して出てこないものです。
年長者らしく、若者に道を示すことくらいしてあげたらどうですか。
一生懸命書いたことくらいはページ数を見ただけでも皆、わかるかと思います。
前評判があることは理解しておりますし、偏見があるのは仕方がありませんが、
ちゃんと話くらいは聞いてあげなきゃならんでしょう。
その上で、大人達が先の見える話をしていってあげたら良いと思います。
あ、彼にアドバイスできるとしたら一つだけ。
気持ちはわかるが、もうちょっと要約しなさい。
本当に大変だったぞ、読むの。
あと、これだけ長いと都合の良いとこだけ切り出すような報道をされてしまう。
今回の文章、「２８ページ」という言葉だけが先走りしていて、
全文をちゃんと読んだ上で言及している人物は思っている以上に少ない。
外に出す文章ってのは、そういうことも先読みして構成しないとな。
2021.05.05 wrote
行政書士 吉田 重信
