時間稼ぎのための濫訴が横行する面会交流事案

時間稼ぎのための濫訴が横行する面会交流事案

 

 

面会交流における訴案というと、一般的には調停、そして審判等を思い浮かべるだろう。

 

こういった手続きは言うまでもなく、裁判所に仲介、又は判断を仰ぎ、
その結果に従うことを前提として行う手段でもある。

その前提があってこそ、お互いに手続きの流れに従うという道理もできるからな。

 

しかし、実際の面会交流事案においては、
この前提をないがしろにして申し立てているような事例が後を絶たない。

 

 

これは係争中であるということを建前にして、その間の面会履行を拒否しようという手口。

 

端的に言えば、ただの時間稼ぎだ。

 

 

子との面会事例は間が空けば空くほど面会を拒否している監護権者の有利になるから、
その旨味を抽出するために裁判所手続きの長回しを利用しているということだね。

 

でも、それって濫訴じゃん。

目的外での申し立て行為なんだから、そう言われて当然だろうが。

 

これに対して正当な訴えによるものだからという反論もあるのかもしれないが、
今、ここで話しているのはそういった次元の問題ではない。

 

どういうことなのかというと、本件のような事例における申し立てに関しては、
一般的な感覚で言うとほぼ100%却下されることがわかっている申し立てだからだ。

例としては、面会交流の審判の結果に対する最高裁への申し立てや特別抗告等だね。

 

最高裁は違憲立法審査と法の適用の適切性を審理する機関だから、
面会交流の審判の結果における抗告に関しては、まず却下されるのが必至。

これは一般的な法律家の感覚として、当然、もっていて然るべき感覚なわけ。

 

つまり、この手の訴えに関しては、
初めから却下されることは承知の上で申し立てている可能性が高いということだ。

 

 

 

濫訴だろうが。

 

 

 

時間稼ぎや嫌がらせ目的の申し立てなんざ、正当な訴えでもなんでもないわ。

もっと言うと、子どものためですらない。

 

 

法の申し子みたいな立場を謳いながら、こんなふざけた手段を用いるとはな。

今を勝てればよろしいというだけで、
子どもの気持ちなんかこれっぽっちも考えてなんかいないだろう。

 

実際問題として、弁護士が代理人となった面会拒否事例においては、
代理人が付いた途端に子どもが父親に会いたくないと言い出したりする事例が後を絶たない。

子どもの意見や考えに、弁護士の介入があったと考えるのが自然だろう。

 

仮に監護親からの指示であったとしても、
監護親は弁護士のアドバイスに従った上での行為であろうから、同じことだ。

 

こんなことが続くようなのであれば家事事件、特に子の処遇に関わる事例においては、
弁護士達の代理権に制限を加えるべきなんじゃないのか。

だって、洗脳しているのとなんら変わらないし。

 

離婚等においても弁護士達の立場を大きくし過ぎた結果、
今では損得勘定を家庭内に持ち込んだりすることが当たり前のことになってしまった。

 

それが世間の未婚化、ひいては少子化につながっているような側面もあるわけ。

 

 

こんな身勝手で独善的な連中に、
家族や子の将来を見据えた上での対応を期待する方が間違っているだろう。

 

 

2025.05.21 wrote

行政書士 吉田 重信

 

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